悩みに向き合う気功的回答

  ●こういう悩みにこういう答え●

 1.若いママへの入れ知恵
2.expectingmamaへのエール
3.思春期青少年の心身
4.受験生への入れ知恵
5.認知症
6.冷え性
7.更年期
8.メタボ
9.自己嫌悪
10.やる気にならない
11.根気が続かない
12.心配性と不安症
13.根拠のない怒り
14.死と向き合う
15.こだわり

 
     
2.expectingmamaへのエール  ★★★キミが妊娠するなんて! 

 妊娠は、体験的にいえば、しようと思ってするものではないからな。条件が揃っていたからって、こればかりは授かり物と言ってね…。いやいや、おめでとう。お医者さんに行ったの? 3カ月? 簡易キットで陽性? 生理がないからって? しょうがないなあ。キミは排卵判んないの? あ…今産んだって。じゃ、ん?明日から生理だなって判んないの? 鈍いなあ。自分のからだでしょ。

 あのね、キミは筋金入りの冷え性でしょ。これ、治しなさい。ゼッタイ条件だぞ。冷えた子宮であかちゃんすくすく育つと思ってるの? 分かってるよね。去年の流産の原因の一つは冷えだよ。もう一つは、意外にも骨盤の動きが悪いということ。動きが悪いというよりは、力がないのかな。
 生理ってのは、毎度毎度、出産の練習なんだよ。出産は、あかちゃんを産むことだと思ってるんだろ。そうじゃないの。胎盤も排泄するんだよ。後産といってね。あかちゃんが生まれてからしばらくすると、胎盤も出てくる。いや、出てくるじゃなくて、胎盤を産む。今の助産術では、あかちゃんが出てきたら、へその緒をちょんぎって、まもなく、引っ張りだしちゃうんだな。乱暴な話だよ。ちょっと待っていればいいのにね。待っていたら、子宮が「もう要らないからね」ってスイッチ入れる。それこそ自然過程っていうヤツなんだ。ウチの子は30分くらいあとに、後産があった。

あのね、ウチのあかちゃんはね、生まれてきて「ふわん…」と泣いた。ほんぎゃ、ほんぎゃって泣くと思ってるんだろ。そりゃ、乱暴に扱われたからだよ。怒ってるんだよ。自然にするっと生まれていたら、「ええ…肺で呼吸するのって、こうなの?」とびっくりするくらいで、だから助産する人は「はいはい、大丈夫だよ、外ではみんな肺で息してるんだよ」と言ってやればいいだけなんだ。でね、しばらく、へその緒がつながったまんま、休んでたの。30分。そしたらまた「ふわん…」と、顔をゆがめて泣いた。あれ…と思うまもなく、胎盤がぬらぬら…と産道から出てきた。母親のほうはあかちゃんを産んだらもうすっかり気が弛んぢゃって、胎盤排泄のきっかけは判らなかったと言ってた。生理の最初の一滴が膣を下るのが判らないのと同じじゃないのかな。とにかくね、その押し出す力がちゃんとなければ、胎盤を中に置いておくことになる。ダメでしょ、そんなの。押し出す力をちゃんと持っておくこと。
 ふつうはね、自然に備わっているのさ。キミは、アヤシイんだよ。去年の流産の時、おなか痛いのがずっと続いて、お医者さんに診てもらったら、死んでますって言われたんでしょ。死んでたら、ふつうは押し出すんだよ、子宮が。それができなかった子宮だからな。今はちゃんと妊娠してるんだから、その間に、あかちゃんに言い聞かせて、というより「キミが生まれてきたら、キミを包んでいてくれたおうちも連れて出てくるんだよ」って、頼んでおくことだ。

 あかちゃんと、お話ししてる? 予定日、教えてもらった? 8月? じゃ、もう耳聞こえてるよ、あかちゃん。ちゃんと分かるんだから、お話ししなさい。いちいち、これからママごはん食べるよ…お風呂はいるよ…おしっこするよ…寝るからね…仕事に行くからね…。いい?始める前に言ってやると、この行動するとこうなるのかと、分かるようになる。アタマのいい子になる。それよりなにより、ママのことが大好きな子になる。
 いい?足湯しなさい。汗ばむくらい。くりかえすうちに、冷え性治るから。こういう妊娠中は、どんどん強くなれるんだよ。分かった?
 
5.認知症 ★★★気功を続けてきた人に、認知症はいない。

先日の、指導員研修会で、長年教室を担当してきた先生方に聞いてみました。
「ここ数年、会員・生徒の中から、ボケた人いましたか?」
すると、出席した全員からNOの答え。
手が挙がる。
「一人だけいました。けど、あの人は、全然マジメじゃなかったから…」
マジメじゃなかった…とは、どういうこと?
それは、リラックスがヘタくそで、集中できていなかった。おしゃべりばっかりでね。と。
あ、そう。気功しに来ていたというより、仲間といっしょにいたかっただけなのかな。
「じゃ、気功をしている人は、なぜボケないと思いますか?」
と聞いてみると、A先生、
「それは自分一人でいる感覚じゃないか」
という不可解な答え。
その心は、ふつう一人暮らしだと、のんびりしているようで実は、人のことをあれこれ考える。心配したり、気づかったり。思い込みも思い過ごしもある。そのことで感情を揺さぶられたりもする。
でも気功をしている人は、気功をすれば温泉に入っている時と変わらないので、一人で湯船に浸かってああいい湯だなって、イヤなことを一時的にせよ忘れて居られる。
そういう快感を身につけている人はボケないんじゃないか。
と。そうですよね、執着がボケへの誘導路ってね。

だからといって、焦って気功に走っても、ボケないと保証はできません。
お医者さんに余命半年と宣告されて、目を吊り上げて教室にきたオトウサンがいましたね。
進行性のガンだ。娘が結婚することになっているが、結婚式まで生きていたい!と必死の形相。
近寄らないで、臭すぎる。ガン特有のすんごい体臭。
みんな、のんびりゆったりやってるのに、オトウサン一人がんばりすぎて突出。
ダメだよ。必死にやったら、もう気功じゃないもの。
結局このオトウサン、来なくなっちゃった。
気功はトロすぎて、やってる間に死なない保証はないとミキリをつけたんでしょう。

ボケちゃってるジイさんバアさんには、気功をしようという意欲がもう湧いてこない。
それこそボサッとしてるけど、それってリラックスとはちがう。
実は緊張しているんだと思う。…というか緊張したいんだけどできない感じ。
それでも、いっしょに気功的レッスンをすると、ハツラツとしてくるんだから、気功は凄い。
施設から頼まれる。また来てくださいって。
でも…気功はいっしょにするものじゃない、ホントはね。自分で、自分のためにするもの。

気功のリラックスは心の集中とカップルになってるんだ。
それでいて、瞑想の時はアタマん中空っぽになってる。つまり、自分で心をコントロールできるのさ。
だから根拠のない「大丈夫」感覚ができてる。
それだけじゃない。
気功瞑想では、海馬が活性化する。海馬が元気だと、ボケない。海馬機能が順調だと、神経細胞が増えるんだそうです。老人が動功をすれば、だいたいモタついてますから、そのゆっくり感で、合格点をやれます。
では静功(タントウ、静坐)はどうか。長年やってきた人は、問題なくできてる。
始めて間もない人(とくに老人)はどうか。

気功が習慣になると、心身の緊張と弛緩に弾力がついてくる。
緊張にも弾力、弛緩にも弾力です。心の弾力、からだの弾力。
この弾力が、ボケない大本なんじゃないか。
だれも、このんでボケたくない。気功はいいと聞いた。
でも、教室でいっしょに気功をやっていればボケないか、というと…
そうは言い切れない。
このへんは、気功指導者の課題ですね。
 
6.冷え性 ★★★この体質だけは改善必須!

どこが冷えますか。
人体で、冷えていいところはありません。アタマを冷やして出直してこい!なんていいますが、のぼせてしまったアタマは冷やせということです。
体温は心臓で37℃前後。
平熱は腋下で36.5℃以上とします。
その体温も、心臓から遠ざかるにしたがい、1℃ほど下がり、外気が寒ければ体表ではさらに1℃下がるのはいたしかたありません。被服はそれを防ぐために用いるのです。
冷え性とは、第一に、腋下平熱が36℃以下の人。第二に四肢の体温が揃っていない人、つまり手足のどれか一つでも体温が低い人。手が冷える人または足が冷える人。
加齢にしたがって平熱は下がってきます。でも36℃以下はダメです。36℃以下だと、細胞内のミトコンドリア活性が激減します。ATP産生が落ちるので、代謝力も免疫力も劣化し、元気がなくなる。思考も鈍る。そしてますます、冷える悪循環に陥る。
はっきりいって、冷えると人間性が劣化する。
だから、冷え性はダメです。あなたの問題じゃない、あなたの回りがダメになる。あなたの冷え性は、社会の迷惑なんです。
もしあなたが冷え性で困っているのなら、いくつかの改善策がありますから、お試しください。あなたに合っているのを、見つけて、実践してください。
まず、足湯。これを毎朝やりなさい。やりかたは、ワンポイントレッスンのページに載っています。
次に、食べ物。からだを冷やす食べ物Aを避け、温める食べ物Bを摂るようにしましょう。
A:夏の旬の野菜と果物。きうりなど瓜科、トマトなど茄子科の野菜。生で食べないこと。刺身ダメ。新生姜ダメ。葉もの茎もの生食は基本ダメ。煮たり揚げたりして摂ること。
B:根野菜を煮たり焼いたりして摂る。土生姜。
次に、運動とマッサージ。運動は手足の屈伸を含み、リズミカルに繰り返すもの。ジョギング。歩行。登山。少なくとも週に2回は小汗をかくのを習慣にしなさい。マッサージは、リンパマッサージがよい。
次に呼吸法。これは、逆腹式呼吸の文息。とくに提肛呼吸がよい。
気をつけたいのが夏の冷房。寒い…と感じたらもう冷えています。ゼッタイがまんしてはいけない。会社勤めで冷やして、辞めてからも治らず、流産した人もいる。バカで鈍い大人の男の体感に合わせたらいけない。
それと、明るくね。一日一回声をあげて笑うこと
 
 7.更年期 ★★★女であることを再認識

一応、女性の更年期として、回答。
女は、一生を女として生きるのですが、月経のある時期をはさんで、前後三つの生を生きるのです。そして、初潮の時と、閉経の時に、女である自分を深く自覚するものなのです。
女は閉経の前後およそ十年間に、その、女であることについて、というより血の女であった自分について「報い」を受け取るのです。報酬であるかもしれないし、報復であるかもしれない。その、報いの季節を、更年期と言っております。まさに、女としての衣替えの季節なのです。
だから、生まれ変わるとしたら、どう生まれ変わるのかと考え抜きなさい。閉経によって、血の女でなくなるという事実をどう受け止めるかということが、もっとも重要なことで、ホルモンの異状によって火照ったり、目眩がしたり、イライラしたり…なんていうのは、たいしたことではない。女は、感じることは上手ですが、考えることが下手です。からだが訴えないと、考えない。からだが訴えても感じることしかしないヤツも少なくない。でも、せっかくだから考えてほしいものです。いい女になるために。
いい女であるために、あるいはいい女になるために、骨盤の弾力は不可欠です。骨盤の弾力を保つために、今後は月経という自動の方法ではなく、自らなすべき運動(たとえば踵の蹴り出し、脚の屈伸、後屈…)によって補えばいいのです。
運動というものは、あまり気功的ではありませんが、有効です。気功も、もちろん更年期を応援します。たとえば鳴天鼓+提肛呼吸です。習慣にして、仙骨が温まる体験にまで高めなさい。生き返ります。
人によって更年期の形も症状もさまざまです。一般的なことは、骨盤の弾力を保つ工夫をしなさいということぐらいなんです。
今、更年期という人は、まず、自分で自分の身体的個性を見つめ、工夫をしてみること。そうしてわからないことがあったら、個別に質問してください。症状については個別に解決するしかないよ。
 
 8.メタボ ★★★余計なお世話だ、勝手にさせろ

ある年齢に達すると、突然代謝が悪くなり、それまでと同じものを同じように同じだけ食べただけなのに、確実に太ってしまうという現象に遭遇する。そうでない人は、二通り。一つは昔も今も、どれだけ食べても全然太れない人。もう一つは昔も今も食が細い人。
代謝が悪くなった人にはそれなりの原因があるが、一般的な答えは、もう若くはないから、である。じゃあ、その老化(加齢)の正体はナンなんだ?
ひとことで言えば、筋肉の劣化でしょうね。むろん、随意筋だけでなく不随意筋(内臓筋)も心筋も、である。筋肉は、基本的に「使えば増え、使わなければ減る」である。若いうちは、筋肉の使い方が下手なのです。ものごとに対して「新鮮な」気持ちで立ち向かうので余計な力を入れて運動するのです。それが、ものごとに慣れてくると、筋肉の使い方が上手になり、ムダがなくなる。要領よく、ぎりぎりの筋力消費でコトを
なし遂げられるようになります。要領がよくなると言えば聞こえはいいが、余計な力とは修飾であり、華麗さである。それをまた翻訳すれば「性」力であります。異性に対する無意識のアピール力、これが減退する。その反映が筋力の低下として現れるのです。
メタボがいけない、もっと痩せなさい、と言う。なぜ?生活習慣病のもとだからと。だから、うるせい!オレの勝手だろ、と返されるのである。国家の言い分はまことにえげつない。病気になって困るはアンタだから勝手にさせてやりたいが、国家の負担が増えてかなわん。健康保険使わずに医療費はアンタが全部払うって言いやがれ!と迫ってやれば、たいていのメタボ野郎は痩せ始めるのではないかな。
いやいや、もっと単純な悩みとして、メタボを解消する手だてを考えてみたいもの。若いころ(身長の伸びが止まった年齢時)の体重を10キロ以上上回っていれば、何とかしましょうよ、というのが気功愛好家向けの合い言葉なんであります。ちょっと甘いんじゃないの?と言う人がいるかもしれない。甘辛の問題ではなくて、骨格は、若いころの完成された身体の体重+10キロを支える予備力しか持っていませんよ。それ以上は身体にとって過剰な負担になるから必ず故障しますよ。治りにくいですよと。
現実問題として、代謝力が落ちているため、「滞貨」状態になっている身体を持っている人は、その「滞貨」をどうやって解消するつもりなの?という問いに答えを出せばいいのです。
 
9.自己嫌悪 ★★★気功は自分を好きになる練習なんだけど…

私の教室に入門する人には簡単なアンケートに答えてもらいます。
気功を始めたい動機を聞くと、いくつかの候補リストの中から自己嫌悪に○をつける人がかなりいます。これは、「どうして自分はあんなことをしてしまったんだろう、あんなことを言ってしまったんだろう」という後悔に、どこか嫌なところのある自分を変えたいという変身願望が重なっているのでしょう。もっと深い心理が自分を責めているのかもしれません。
気功(の指導者)は、そういう人から、厭味ったらしい精神科医やゴウマンな臨床心理士のように、根掘り葉折り聞き出そうとしませんから、そこに丸をつけたからといって特に訴える必要もありません。
私などは、ふーん、そうなの…と一瞥するぐらいです。何かのきっかけでその人のプライバシーに触れることはありますが、多くは自己嫌悪の中身は語らず仕舞い、聞かず仕舞いです。けれども、このそれぞれの自己嫌悪は、気功とともに薄れたり、変容したり、解消しているのだと思います。
ですから、ここには、自己嫌悪を感じている人は、気功をしているうちに、あんまり感じなくなるみたいだから、あなたもやってみたら?とだけ書けばいいのかもしれません。

しかし、こういうこともできます。その自己嫌悪は、人に訴えられないほど、閉じ込められた自分だけの思いであることが多いからです。身体的な「異状」に自己嫌悪しているなら、それが衣服に隠されていれば自分しか知らないことです。わざわざ人に知らせたいことでもないし、自分では解決もでき(そうに)ないなら、なおさらです。
ここには、この時代、この世間の文化規範、価値意識の重しが横たわっています。それぞれの自己嫌悪の中身には、それが悪いとか醜いとか異端だとかの判断がしみこんでいるのです。
そういうものでも、気功は助けてくれるのか。
くれるのです。気功は、今ここにあるリアルな心身とは別の、いわば奥の方にある心身に働きかけるからです。その心身を「気の身体」と、私は呼んでいますが、それこそ気功を始める前に、その身体を呼び覚ますセレモニーをするわけです。いや、大げさなことではなく、心身ともにリラックスするのです。そうして浮上した心身に働きかけるのが気功です。気の身体のほうが「私」に近いのです。今ここにあるリアルな心身つまり血肉の身体のほうが一時的局所的部分的な現象であることが実感できるようになります。
たとえば、自己嫌悪なんて、かえって自己実現のバネになるんだよ…なんていう言葉をイヤな奴に言われたら超むかつくはずですが、自分で確信できたら、ある意味乗り越えられたのです。乗り越える必要もないかもしれない。自己嫌悪をもたらすものごとの中には乗り越えられないものもあるからです。
そういうケースなら、もう、ともに往くしかない。つまり自己嫌悪する私としない私が同伴して歩む。具体的な答えは、もちろん、自分で探すのですが。
そう、これは与えられるものじゃない。自分で見つけるものです。大丈夫ですよ。大丈夫。
 
10.やる気にならない…鬱?  ★★★身軽になることから

これは、いろいろなケースがあるから、適切な回答とはならないと思いますが、やる気とか意欲ということについて考えてみました。

気というのは、大本の形を「元気」といいます。生命体の中で気が集まり、運動することを、「生きる」といいます。気が内側で動いて、外に出ていくことを活動といいます。ところがその力が弱くて内にとどまっていると、外から見て「ふさぎ込んでいる」といいます。
表題の「やる気にならない」というのは、ふさぎ込んでいるのかもしれませんが、そうではなくて、自分がしなければならないと思っていることや、するように仕向けられていることに対して、意欲が湧かないことを言っているのかもしれません。
やる気にならないと言っても、その場合、問題は自分の内側にあるのか、それとも外側にあるのか。
やる気にならないという本人に聞いてごらんなさい。
きっと、外側にあるというでしょうよ。やる気はあるけど、あの環境じゃな…あの条件じゃな…あの時期じゃな…と。
でも、元気一杯のときは、自分がやらやければならないことでなくても、ついでにやってやるよと、気軽に引き受けて、サッとやってしまえるものです。やる気にならない人の気は、重いのですね。
ですから、今さしあたって
重い気を、軽くする必要があります
気が重いと身も重くなります。身重(みおも)というのは妊娠のことですが、妊娠した女性が心配や不安であればそれこそ身重です。しかし、待ち望んでいた妊娠ならきっと気は軽くなっているわけで、そのときの身重は、胎児の分だけ重い体重という感じでしょう。
気が重たくて、身は軽い? ふつうは(妊娠女以外は)ないのです。気が重いのは直接扱って軽くすることはできません。たまに、まぐれで、「よい情報」が気を軽くしてくれますが、こういう情報ならどんなに気が重い人にも効く!という法則はありませんので、この方策は捨てましょう。
残るは、気重身重の人の身を軽くする方法です。
まず、体を温めましょう。体に冷えがあると、気は軽くなりませんから。いろいろ温める方法がありますが、朝の足湯をお勧めします。それから、ありきたりですが、運動ですね。それも軽い足腰の運動。それから、万歳呼吸。それから、歌唱。好きな歌。声を出して歌うこと。元気な明るい歌が好きならそれでもいいけど、悲しく暗い歌を知っているなら、そのほうがいいかもしれませんね。涙が溢れるほど悲しい歌は、気を絞るからです。
でも、それさえもやる気にならない人には、身軽追求法は無効ですね。どうしようか…。
やる気にならない人でも、毎日していることをきっかけにして気を転じるしかないでしょうね。寝ていますか。寝られない?不眠?…でなければ、逆?眠り小僧?眠り姫? どちらも感心しませんが、眠りをよくする工夫が大切ですね。睡眠大好きになってごらんなさい。工夫して。
それから、食べてますか。食べることに、関心が起きますか。食べたいものが思い浮かびますか、なんですけど。思い浮かばないようだったら、絶食をお勧めします。10日間ぐらい。
ゼッタイ、死にません。やりなさい。今から。
それから、小便も大便もしてるでしょ。便意が起きたら、トイレに行ってもよろしい。パンツをめくってもいいけれど、ちょっとガマンしなさい。とくに小便。2秒ガマンしなさい。
あとは、やる気が湧いてくるまで、誰にも口を利かず2年間をめどにうずくまっていることですね、その間人にしてもらわず、自分で何もかもやること。
自分でやるしかないんですから。
そう、気功はしてもらうものではなく、自分からするものなので、相談も自分からしてくるものには応えられますが、身内のだれそれが…という話には乗れません。悪いけど、そのスジに持ちかけてごらんなさい、となります。この悩みも、そのようなものとして、お答えしました。
 
 
11.根気が続かない  ★★★個別に検討しなくちゃ

ほかの言葉に置き換えると、どうなりますか。
すぐ息が上がる。すぐ音を上げる。粘りがない。無理がきかない。…など、どこに問題があるのでしょう。もっとやりたいけれど、体がついていかないというのと、何をやらせても気が散ってしまうのか、すぐ投げ出して続かないというのとは、違うでしょうか。
違うでしょうね。
前者は体を建て直すとどうにかなりそうです。後者は気を締めないと続きません。もっとも、両方ともダメなときもあるわけです。
その気はあるが、体がダメというときは、腰を締める。気が散漫なのは、背骨を締める。上手な指導者は一声掛けて、腰に力が集まるようにでき、背骨が締まるように誘導できるでしょうが、それは、その人のことをよく知っていなければできないことです。このコラムでは、一般的な話というよりはずいぶん杜撰な話になってしまうのは仕方がありません。
それよりも根気がはじめからないヤツがいますね。土性骨がないヤツ。根性がないヤツ。そんなヤツでも、何かのきっかけで自分からすすんでやり始めることがあります。サーッと気が集まったのでしょう。だから、気を集める工夫が必要です。体の中に気を集めるには、まず、外の何かに気を集めることができなくてはなりません。目や耳が、何かに焦点を合わせる、合わせた状態を持続する。
それが…人間年をとりすぎてボケちゃうと、ホント気が集まらなくなる。「それはイヤ」としか言わなくなる。老人の根気が続かないのは、体が怠けているだけ。つべこべ言わずに体を動かすこと。しゃがむ・立ち上がる運動がいい。急な階段を降りるのもいい。自分で率先して、それができるかどうか。
こどもの根気が続かないのは、体ができていないだけ。好きなものが見つかったら、自分からすすんで、その好きなものに向かっていくようになります。大人はその好きなものがその子の成長をもたらすかどうかチェックすればいいだけです。
どうも、こういうのは答えづらいです。個別事案なんですね。これは。 
 
12.心配性と不安症  ★★★気が気でないのなら… 

気が気でない心情の、気が外に向いていれば心配。つまりいらぬ気遣い。同じ心情の、気が内に向いていれば不安症ということで、まとめて考えてみました。
ともに気が騒いでいるわけですよね。騒いでいる理由は、そもそもの内心の居心地が悪いか、居所が悪いかです。つまり、内気のセンターたる「丹田」が、なっとらんのです。
解決策は簡単。丹田を改造すればよろしい。そしてその内心、内気も濾過して、きれいさっぱり毒だししてしまいましょう。
で、その工事をどこに発注するか。
お客さん、いいところがありまっせ。福岡気功の会っていうところなんですがね、地味にやってるんですけど、いいシゴトをするんですわ。ただね、ほかの人気のあるところが手取り足取りしてやってくれるところを、そこはご自分でおやりなさい、自分でやるところなんですよ、本来。とか言って、気難しいわけ。でも、そりゃそうなんですよ、丹田にゃ人の内心を突っ込んでそれまでのを捨てちゃうこたぁできませんからね。改造キットは、気功っていうんですがね。これがいい。質がよろしい。洗練されておる。
というわけで、丹田改造は、自分でコツコツとやるしかない。サプリもドリンクもない。で、その工事のキモは、腹と裏腹だっていうんですな。腹の作り直し、裏腹の作り直しだと。裏腹ってどこですかと来ますわな。腰ですよ、腰。目標は、腰を据えなさい、腹を据えなさいっちゅうんです。
というわけで、それこそ腰を据えて、気功をなさることです。見違えるほど落ち着きますよ。
 
13 根拠のない怒り         ★☆★☆怒りの正体をさがせ

怒りという感情は、刺激に対する反射として出現するようにセットされています。多くの場合攻撃性を伴います。
その背後に従属するのは、自己(意識、感情、所属)の防衛本能だったり、不満感・不幸感だったします。しかし、自己の位置が安定せず、たえず「前進」傾向の中にあるときは、自分の方向や勢いと異なるすべての事象が自分を邪魔するもの、自分を攻撃するものと錯覚してしまうため、怒りのスイッチが入ってしまうのです。
根拠のない怒りのほとんどは、これで、当人以外はその怒りの感情に対しても怒りの対象にも言葉にも理解・承認することができません。こいつ、何であんなに憤慨してるのか。距離置いとこう…となります。
じゃ、当人はどうなのか。たぶん自分は正しいと漠然と感じているのですね。
正しいと感じているからこそ、怒りを収められない。
それでも周りの敬遠反応を感じて、何とかしなくちゃと思うことはできます。オトナならね。自分だけ「放置」されていると、実際上困ることが出てくるからです。
そういうことがきっかけで、怒りを収める必要が出てくる。まあ、当人にとっては苦渋の選択です。繰り返しますが、怒りの支柱は「自分は正しい、正当だ」という認識なのですから、「正しいことをしているけれど、止めよう」とするのは凄いストレスになります。だからストレス耐性がないと、自分ではコントロールできない。
でも、以上の怒りの仕組み、構造が分かっていると、怒りをとりあえず棚上げしよう、後回しにしようという選択ができます。いちばんラクあ切り替えは、仲裁の言葉にしたがうことです。自分の味方の優しい言葉など。「わかった、わかった、そうなんだよね、そうなんだけど、ここはちょっとね」というようなあいまいなブレーキが効くわけです。
そうなったらあとは、時間の経過が怒りのボルテージを萎縮させてくれたり、自分で怒りの対象を吟味したりできるようになるわけです。
メナシアイヌの神話にカムイチカップ(神の鳥=シマフクロウ)が若いシャチに愚弄されたのを怒って制裁を加える話がありますが、制圧したあとも「怒りはなかなか収まりませんでした」というくだりがあり、私はここが大好きです。怒りという感情はそう簡単に収まらないものなのです。
怒りが収まっていく長い「下り坂」で、思想が育つのです。育てなければなりません。その繰り返しの積み重ねの中で人は少しずつ智慧ある人になれる。つまり、根拠のない怒りを、自ら戒める力がついてくる。
根拠のない怒りは、走りすぎ、あるいは過信を土台にしています。
待つことを覚えなさい。それもできないなら、せめてゆっくり歩むこと。あとから激走していいから、今はゆっくり…を覚えなさい。
そして、ほんとうの「敵」を見定めて、ほんとうに怒る。怒れるようになりましょう。くだらないことに、いちいち怒るなってこと。
 
     
     
     





トップページに戻る