筋診断自己操法で用いる基本技法をおおまかに解説します。個々の技法はそれぞれ特設ページでご紹介します。 | ||
●トップページに戻る | ||
1.筋診断の中の凄い「知」と「技」 | かつて、経絡治療は、 1.経絡異常を特定し、 2.全経絡を「平」にする医術で、 3.診断に、手首の脈を診て、各経の異常を把握し、 4.異常をツボに鍼を刺すことによって正す というしくみになっていた。だから、 1.脈診をマスターし、 2.鍼の刺し方をマスターし、 3.経絡とツボについて学ぶ ことが必須だった。 鍼は人の体を傷つける技術である側面があるため、国家試験によって認められた知識と技能水準に達した者に資格を与えている。 筋診断は、その地点から出発し、 1.脈診を捨て、鍼を捨て、 2.腹診・筋触診に換え、色片に換えた。 つまり経絡治療を、国家資格を不要とする医療技術に脱皮せさてしまった。 筋診断には、手指には「微妙な電磁的極性」があるという「知」と、それを利用した経絡リングという技能があり、その可否を判断する頸振りテストという診断技能がある。 この三位一体の「知の体系」は2003年に発足した筋診断研究会が研究発展させた、比類なき技法である。 これによって、色体を用いず、経絡知識・ツボ知識を必要としない心身調律のジャンルを確立させたのである。 |
|
2.生命は伝導体 | そもそも、生命体は、その一体性を保つために、体内における熱や電気の均衡を調節する伝導系を持っている。人間も例外ではない。 つまり、電気でいうと、隣り合う組織同士が+電気と−電気の「濃度/密度」を自動調整して十全に機能するようになっている。 もっとも微細なレベルでは一つ一つの細胞の膜を挟んだ内と外の電気量を調節することによって流動の方向性と勢いを決定している。もっとも大きなレベルでは身体の右半身と左半身でもどちらかがわずかに優位になる状態を交替することによって恒常性を保っている。 人間も種としてみれば男と女で電気的性質が相反していることによって一体性を保っている。 一人の身体としてみれば左右が相反し、胸腹側と背腰側が相反している。さらにいえば、右手左手で、親指と人差指で…となるはずである。 この、一般法則が、個別にも当てはまっていることを「証明」し、利用しているのが筋診断。 |
|
3.指電極 (フィンガーポラリティ) |
身体内で電気的「流動性/伝導性」に歪みが生ずると、可動性の低下やこりが生ずる。そこに電極(または磁極。磁気と電気は同じ効果を示せる)をもってくると、一時的に動きがよくなったり、こりがほぐれたりする。 某磁気治療器メーカーは磁気が血流を改善するなどと称してさまざまな健康器具を売りまくっているが、危ない。逆極性をあてがうと、症状が悪化するのは明らかだから。肩こりだって+極と−極を間違ったら逆効果だ。それに、磁力は強ければ強いほど効果があるなんていうのは、物には言えるが、生命には言えない。笑い種だ。磁気についていえば150ガウスで十分効く。それ以上では弊害が現れはじめる。 というのも、 肩こりには、指が持っている極性力で効果を実感できるからだ。 |
|
4.指の輪 (フィンガーリング) |
親指と、他の4指とで作る指の輪。これをフィンガーリングと呼ぼう。というのは、 親指と人差指で作る輪は、Oリングとしてよく知られているからである。これは、筋力テストの一種で、指を結びつける力量の変化を診るために使う。 筋診断では、このOリングと同じものを、別の用途で用いる。名前も経絡リングである。親指と人差指で作る輪と親指と中指で作る輪、それに親指と人差指中指を揃えて3本の指で作る輪の3種類がある。前二者は−リング、+リングであり、後者はマスターリングである。二本の指で作る輪は、左右で異なり、男女で異なるので+−はあらかじめ特定できない。 筋診断にはもう一つ、親指と人差指で作る輪、親指と中指薬指で作る輪、親指と小指で作る3種類の輪がある。これは「胚葉力」の変化を見極めるのに用いる胚葉リングである。 すなわち、親指と人差指で作る指の輪は、あるときはOリング、あるときはボラリティリング、またあるときは内胚葉リングなのである。 |
|
5.経絡リング | 指電極(フィンガーポラリティ)と経絡リングの「発見」は、人類史における屈指の偉業である。こういう発見発明工夫は、たいてい偶然起きる。その場に立ち会ったのが河野忠男という鍼灸師であった、と記述さるべき事象なのである。キュリー夫人のラジウム発見の際の珪藻土みたいなものだ。 その、経絡リング。 筋診断では、最後の段階で、ツボに正三角形の色体をあてがうのだが、その頂点の向きを手足の末端(指先)に向けるか、根元(腋・股)に向けるかを電池診断器の+−で決める。−をツボにあてがったときに弛緩を誘導できれば、頂点を末端に向けて貼るのである。この+−の代わりに、指先を用いる。すると、−と右人差指の効果が一致する人と右中指(あるいは左人差指)が一致する人がいることがわかる。人によって(男女によって)異なるのだ。しかし、一人の人においては、右と左は相反し、人差指と中指は相反するのである。 分かりにくい! という人には、マスターリングがある。マスターリングは、からだが勝手に+−を選んで効果を引き出してくれる。 |
|
6.平衡印 | 両手にそれぞれマスターリングを作り、組み合わせた形を「平衡印」という。 1右甲を上に向けた印(下向き印)と左掌を上に向けた印(上向き印)を組み合わせた時 2甲を上に向けた印(下向き印)と左掌を上に向けた印(上向き印)を組み合わせた時ではどちらが効果的か。 12どちらかを選んでおいて、今度は下の印(上向き印)を下向き印に変えて組んだ時と比べる。どちらが効果的か。 つまり、マスターリングによる平衡印は4種類ある。4種類の印の中に1つだけ、特効印がある。 次に、その特効印で使っているマスターリングを2指印(+リングまたは−リング)に替える。もっと効果が高まる。 |
|
7.頸振りテスト | 平衡印の組み方がわかっても、どの平衡印が効果的なのか(自分の今の心身状況を最善にする)をどうやって認識するか、を知らなければ価値がない。 印を次々に作っていくたびに、深呼吸してみる…視力測定してみる…前後屈してみる…などがある中で、もっとも優れた動診が頸振りテストである。 頸振りテストは、アヒムサ健康法を提唱普及された故岡林龍之先生が考案されたCCテストのことであるが、筋診断研究会において、進化させた。 顎を肩に乗せようとして水平に頸をゆっくり回す動作によって、可否を判定する診断法である。 |
|
8.両側頸振りテストのやりかた | 頸振りテストには、目的によって両側テストと片側テストがあり、比較テストと諾否テストがある。 ここでは4つある平衡印のうち、どれが今の自分によいかを比較検討するテストを行なう。 まず何もしない状態で左右両側に頸を振り、基準の動き具合を知っておく。そして印を結ぶたびに、開き具合を比較して、もっともなめらかに、大きく開く印を選び出す。比較するには二者択一がよい。 |
|
9.平衡印瞑想法 | 上の3から8までをつなげると、気持ちのよい、深くおだやかな瞑想ができる。 よい瞑想のために平衡印を用いる、と言ってもよいが、心身のポラリティを調律し、今もっとも自分らしい状態をいっそう安定させるために、最後に定着のために姿勢を正してじっとしておく、と言ってもよい。 盤座または背筋を立てたままの椅座で最低2分、理想10分。 |
|
10.兪府のチューニング | 兪府は、胸骨柄の両側、鎖骨の直下、第一肋軟骨と胸骨柄の接続ポイントのすぐ上のツボ。 左右の兪府穴に人差指と中指先を置き、もう一方の手でマスターリングを作り、合谷穴を腹につけ、指の輪の中に関元穴が入るように置いて両腕が「のの字」形になるようにセット。右手上左手臍下の形と左手上右手臍下の形では、どちらがよいか、頸振りテストで決定する。 左右の手の位置が決まったら、上下とも人差指か中指かを同じく頸振りテストで決定。 最終的に決まった形で兪府を水平に細かく揺さぶり、さらに全身微振動を2分。定着。 |
|
11.烏口突起のスイッチング | 1.胸椎9番から吸い上げて胸椎1番(大椎)で、呼気とともに水平に旋回した顎が、左右どちらに大きく 開くか。大きく開いた側を活側とし、烏口突起に対側の手を当てて、開きにくかった側に頸を回してなめらかに開くようになることを確認。 2.烏口突起にあてがった手を、人差指、中指に変えてみて、頸が回りにくくなる指を「捨てる」。 3.活側の手を同側の鼠蹊靱帯の中央部(気衝・腸腰点)にあてがい、ついで対側の気衝にあてがって、左右を選び、さらに指先に替えて選択。気衝に手が不要な時もある。 4.ポーズを作って、そのまま全身微振動を2分。定着。 |