ONE POINT LESSON  
  実技を文字や写真で説明することほど危険かつ困難なことはありません。
伝えたいことを10とすれば、伝わることはせいぜい2か3に過ぎません。
誤解されてしまうこともあります。曲解はざら。
そうと知っていてなおここに紹介するのは、
《自力健康法》
の実際の雰囲気を感じてもらいたいからです。
効果が高くてもはじめての人には難しいものは取り上げませんでした。
ちょっとしたコツで効果が左右されるものも除きました。
このページでは、あえてオーソドックスな気功は扱わず、
タイトルのとおり、
『一連技法』
のみを集めました。
いずれも「すぐれもの」です。
反応を考慮しながら、ときどき入れ換えたいと思います。 
 
     
     
 気功の前提、
リラックスへの最初の関門。
だれもが身につけたい
強制的な腹式呼吸
あくびが出たら大成功














邪気の呼出
=みぞおち呼吸法  




 






 
 みぞおちが硬くなっていると、体全体の緊張が強すぎて、体を横たえても休まりません。たいてい、おなか全体が硬いものです。みぞおちの奥は胃の噴門で、みぞおちが硬いのは噴門の異常緊張の現われです。昼間は、多少硬いぐらいなら、同じことをしても人より余計に疲れる程度のことですが、夜は、その緊張のせいで眠れないことになります。ふつうは、夜になってごはんを食べて、寛いで、お風呂に入れば、おなかは緩むのです。しかし、昼間の緊張が強いと、夜になっても緊張が解けません。
 その緊張を解くには、緊張の中心をになうみぞおちを強制的に直接緩める必要があります。指先をみぞおちに突き立て、押し込むのです。ただ押し込むだけだと、おなかのほうの反発が強く、ブレーキがかかってしまいますが、息を強く吐きながら押すと、緩んできます。姿勢は、正坐でも椅子にかけても立ってもできます。要領は同じです。

1 背筋を立てます。鼻から大きく息を吸います。両手の指先を揃えてみぞおちに突き立てます。

2 大きく口をあけ、のどを開き、強く息を吐いていきます。みぞおちにあてがった指先を奥のほうにしっかり差し込んでいきます。上体を前に倒してゆき、頭をぶら下げていきます。頸の力を抜いてぶら下げます。

3 息を吐ききって、指先を差し込んだまま、3秒耐えます。緊張。
4 そこで手をみぞおちからパッと離します。

5 息が入りました。体を起こしてきましょう。息を吐きながら。正面に戻ります。自然に、勝手に吸ってしまえばいいのです。一息ついて。
6 くりかえします。両手指先はみぞおち。息を吸って。開始。前屈。口から強く息を吐く。

7 吐ききる。頭はぶら下げ。3秒そのまま。はい、手を抜く。息が入る。

8 戻ってきます。正面。
9 一息ついて。もう一回。
10 両手指先はみぞおち。息を吸って。開始。前屈。口から強く息を吐く。
11 吐ききる。頭はぶら下げ。3秒そのまま。はい、手を抜く。息が入る。上体を起こしてきます。

 大あくびが出れば、大成功です。あくびが出なくても、みぞおちを押してみて、最初の時と比べて、痛くなくなっていればよしとします。体をぐにゃぐにゃとゆすりたくなるのも、うまくいった証拠です。 
     
骨盤の底に溜まって
戻れなくなってしまった
重たい血を逆送する







 亀塔式
  四つんばいから胸を沈めてお尻をはね上げたこの姿勢のまま5分以上。

周稔豊先生が教えてくれた「臥式亀蛇気功」の中の一つ。
骨盤内の瘀血を心臓に戻す。お尻の高さが心臓より高くする。大腿を直立させると姿勢が安定してじっとしていられる。自然呼吸。
女性の骨盤内の臓器と臓器の隙間にはリンパ液が回収されないまま溜まりやすい。リンパ液の正体は血漿で、赤血球は含まないが、血液成分である。停留する瘀血は臓器を冷し、腹膜を冷し、その外側にある深層筋を冷やしてそれぞれの機能を低下させる。
瘀血を心臓に戻すには下に向けて流すにかぎるわけで、格好は悪いが、これが一番である。

腰が重い、苦しい、下腹が固くて重たい、便秘、頻尿、生理不順、生理痛などの症状を改善する。肌荒れも治る。
毎日この姿勢を保つこと5分以上。背中のラインは斜めまっすぐ。弓なりに反らせてはいけない。  
     
胴体をネジ切る
肩・胸・腰を捩じり、
頸を伸ばし、真上を向く








 イチロー式肩入れ
   今もやっているのでしょうか。プロ野球のイチローがネクストバッターズサークルで、このウォームアップをしていました。
脚の構えは「四股立ち」そのあと腰を割って、両肘を膝で支えて前の相手を見据え、両手を土俵に付いて仕切りに入るのは相撲。腰を割って両肘を付け、そこから「背抜き」「肩入れ」にいく。
左の写真。左膝を支えるのを掌に変え、親指を下にして膝を内側から外方へ押し開き、肘を伸ばし、肩を落とす。
ここから、左の座骨を後方に向け、臍を右に向けて胴体を時計回りに捻転させ、左肋骨を落とし、左胸を落とし、左肩を落とす。左背すじが伸び、反る。最後に、顎を右に振り、左眼を正面前方に向けて、目を通す。
この一連の動作を、膝に掌を置いた時に大きく吸い、尻を後方に向けた時から前方に目を抜くところまで長く吐きながら一気に貫通させる。

イチローはむろん、肩の関節を柔らかくするためにやっているのであってここで説明したような半身に気を通すためにやっているのではない。名前はイチロー式だが、中身は、伊藤式胴体法の「丸まる反る」の四股立ち・交互半身式である。
抜いたら両手を膝の内側に置いて背を丸め、次いで対側の背抜きに転ずる。交互に丸まる反るを繰り返すこと4回。頸・肩・胴体・腰に気が通る。
     
   
     
心臓の血温は37℃
足先では35℃以下
これではミトコンドリアの気合が
入らない。
左右の体温を揃えて
免疫力をアップ!



足湯
 
  
 
 
 踝までの部分浴。熱めのお湯に足を浸け約5分間。お湯に浸けた部分が真っ赤な靴下を履いたようになるまで浸けます。ふつうに入浴した後に体を拭きさらに足湯をしても構いません。
 これは足を温めてカゼを抜く方法として知られているものですが、両足の体温を揃える意味が大きいのです。左右の足の体温が揃うと、自律神経の余分な興奮が収まり、体全体が温まり、精神的に落ち着いて、深い眠りを誘導します。準備を含めて10分以内にできます。
朝、なかなかエンジンがかからない人は、起床後30分ほどしてから足湯をするのを習慣にしてごらんなさい。アタマよりからだをよく使う生活をしている人に、お勧めします。

1 バットに45℃(最初熱すぎと感じることあり、42℃で馴らしてから上げていけばよい)のお湯をはります。深さは約13センチ。踝がすっかりかくれる深さとします。ポットに差し湯用の熱湯。温度計。それに足拭き用の乾いたタオル。

2 両足同時にお湯に浸けます。そのまま3~4分。熱さが気持ちよいならそれはぬるすぎ!ギリギリガマンできるくらいの熱さが身体状況を変える力のもとなんです。途中ぬるくなったと感じたら、差し湯をして最初の温度に戻します。
 両足を上げてみます。すると片足が赤くなっていて、もう一方はまだ白いですね。

3 赤い方は完成です。乾いたタオルで拭い、靴下を履きます。白い方は、さらに2~3分浸します。同じように赤くなったら完成です。こちらもタオルで拭い靴下を履きます。
 もし、そのまま床に入るのでしたら、裸足のままでOKです。 
     
  自発と自由と安寧をもたらす
押しも押されもせぬ気功の王者
これをマスターしたら、
どんな気功の
善し悪しも判る













撼天柱


 
 
 腰とおなかを水平に回すだけの気功です。運動として見れば、腰の水平旋回運動にしかすぎませんが、単純なゆっくりすぎるこの円運動の波が全身にゆきわたり、すべての細胞が同調して回り出すというイメージと結びついたらその効果は深く大きなものとなります。イメージは、ニュートラルなものほど、一見意味と結びつかないものほど、心の力として蓄積します。人間は心の動物ですから、心が動けば、心身の情況は変わるものなのです。
 撼天柱の、撼は揺するという意味です。天柱は天を支える柱、背骨のことです。この気功は、盤坐で行ないます。あぐらをかいて座り、外側の足を持ち上げて、内側の足の上に乗せるのです。左右のバランスがよく、腰が安定した座りかたです。上に乗せた足の膝が跳ね上がらず、水平に近く、より落ち着く組みかたにします。
 寝床に座って膝に毛布をかけて行ない、途中で眠くなったら、そこで終え、就寝するのもよいでしょう。冬は寒くないように、肩に何か羽織って始めましょう。

1 両手を膝の上に置いて、背筋を立てて座ります。意識をおなかの奥のほうに集めます。その中心がムズムズしはじめ、揺れ出すのに乗じて水平円運動へ誘導するつもりで、小さな左回しが始まります。基本は臍の高さの水平円です。高さは、座骨、臍、みぞおち、顎の4ヶ所を基準にして回します。どの高さで回しても、他の3ヶ所が協調して回ります。
 臍の高さの円が一番大きく、顎の円が一番小さい。頭の上30センチのあたりは円の芯にあたるところでほとんど動かない。動かさないつもりで回します。目は開けたままでもいいし、閉じて行なってもよい。
 
2 左回し。最初は小さく、だんだん大きく回します。ゆっくり回します。ていねいに回します。数えます。
…36回。

3 36回回したら、スイッチをオフにします。腰は惰性で回り続けます。だんだんゆっくり、だんだん小さく、表立った動きが止まっても、体の奥のほうはまだ微妙に回り続けます。やがて、止まります。

4 ここで余韻を楽しみます。できれば1分以上。

5 一息ついて。おなかの奥のほうに、逆回りの揺らぎが生じます。それを水平の円運動に誘導します。こんどは右回しです。だんだん動きがはっきりしてきます。では数えましょう。…36回。

6 36回回したら、スイッチをオフにします。腰は惰性で回り続けます。だんだんゆっくり、だんだん小さく、表立った動きが止まっても、体の奥のほうはまだ微妙に回り続けます。やがて、止まります。そのままできれば1分以上静止。

7 このまま、横臥して就寝するもよし。気功を終わって、寛いでもよい。終わる時は両手を擦りあわせ、顔をマッサージします。

8 撼天柱のあと、瞑想すると、深く充実した境地を味わえます。
 気功では「静坐」といいますが、内容は「坐忘」です。静かに座って、頭の中を空っぽにするのです。意識ははっきりしていて起きているのですが、時がすぎゆくのも、ここがどこかも、自分がだれかも、何もかも忘れてしまうのです。ただ何となく楽しい境地にいることを体感するのです。自然呼吸。
自然呼吸は、息をしていることを意識しない呼吸のことです。寝息のマネをしていると、それが自然呼吸を誘導します。

     
   
     
日頃から
交感神経優位でロック
されているような生活
を強いられていると、
胸・腹が固くなってきて
前のめりになってしまっているのに
気づけない。
弛めよう。
さらさらマッサージをすると、
肩の荷が降りてホッとする。









おなかのマッサージ


 


 ●おなかが固いとロクなことがありません。おなかを、弛めましょう。ホッとします。


まず胸骨の両側の肋軟骨を上下に軽くさすります。
リズミカルにシャカシャカ…と20回。

つづいて服直筋を、みぞおちから恥骨まで、ロングストロークのマッサージ。これも20回。

次に、V字マッサージを20回。これは外腹斜筋の筋目に沿ってさするのです。

つぎにA字マッサージを20回。内腹斜筋のマッサージ。これは外腹斜筋の下にあります。

つぎに側腹の水平前後マッサージを20回。腹横筋のマッサージです。ちょうど肋骨の下、骨盤の上のウエスト部分です。

仕上げは渦巻マッサージ。両手を臍に重ねて、ゆっくりさすり回します。時計と反対回し20回、時計回し20回。
     
  操体法の中川重雄先生から
習った自律神経調律法。
おいしそうなものを見ても
ツバが出なくなっていたら、
それがからだのSOS。
季節の変わり目の不調には
必須の…

















唾液腺の操法



息を吐き刻みながら背骨を揺する






息を吐き刻みながら背骨を揺する
  耳下腺は副交感神経と、舌下腺は交感神経と連動します。顎下腺は両方と連動します。左右の唾液腺の分泌をととのえることで、自律神経を順調に誘導することができます。基本は副交感神経の調整です。最初に耳下腺をととのえ、つぎに舌下腺と顎下腺をととのえます。その後、再び耳下腺をチェックしてみて、最初のチェックの時よりいっそうなめらかになっていれば、操法は成功です。正坐または椅子に座って行ないます。

1 肘を前に振り上げ、指先を後に向け、小指で耳たぶを押し上げるようにして耳下腺を包むように掌をあてがいます。一息おいて、息を吸いながら上体を捻じり、斜め後上を見上げます。左右の動きを比べて、動きのよかった側を覚えておきましょう。
2 顎下腺と舌下腺を包むように掌をあてがいます。指先は上向き、掌で顎を押し上げる形です。一息おいて、息を吸いながら上体を捻じり、斜め後上を見上げます。左右の動きを比べて、動きのよかった側を覚えておきましょう。

3 では
耳下腺の操法です。こんどは、息を吐きながら捻じっていきます。
 まず、両手を耳の下にあてがって構えます。指先は後です。動きの良かった側に、二回捻じります。
 大きく息を吸って、息を吐きながら、捻じっていきます。最初に臍を捻じる。ついで、みぞおち、胸、肩、顎、目、肘。そして背骨全体で弓なりになってここで息を吐ききり止まります。
4 この姿勢で、大きく息を吸って、息をためたまま臍を正面に戻し、お尻を引き落とします。
5 一気に体を戻します、息を吐きます。
6 残りの息を小刻みに吐きます。体をゆすりながら、おなかを縮めながら、全部吐ききります。
7 一息おいて、もう一度、同じ側に振り上げます。
8 息を吸って、はい。吐きながら捻じっていきます。臍、みぞおち、胸、肩、顎、目、肘。止まって。
 息を吐ききって。
9 吸います、大きく吸って、息をためます、臍を正面に戻します、お尻を引き落とします。
10 一気に体を正面に戻します、息を吐き続けます。おなかを縮めます、吐ききったら、一息ついて。
11 息を吸いながら、反対側に捻じってみましょう。最初にチェックを入れた時と比べて、どうですか。なめらかになっていれば、成功です。
 もし、動きが依然として渋ければ、あと2回、動きのよかった、同じ側を捻じります。

12 では、掌を置き直します。こんどは、
顎下腺と舌下腺の操法です。指先を上に向け、掌で顎の骨を押し上げるようにして構えます。左右の動きを比べるために、上体を捻じります。
13 息を吸います。動きのよかった方に捻じり上げていきます。息を吐きながら、臍、みぞおち、胸、肩、顎、目、肘。斜め後上を見上げます。吐ききります。ここで止まって、大きく息を吸います。
14 その息を腰に落として溜める。すかさず一気に体を戻す。吐いて。吐いて。体をゆすりながら息を吐ききります。
15 もう一度くりかえします。同じ側です。
 息を吸って、はい。吐きながら捻じっていきます。臍、みぞおち、胸、肩、顎、目、肘。止まって。
 息を吐ききって。
16 吸います、大きく吸って、息をためます、臍を正面に戻します、お尻を引き落とします。
17 一気に体を正面に戻します、息を吐き続けます。おなかを縮めます、吐ききったら、一息ついて。
18 息を吸いながら、反対側に捻じってみましょう。最初にチェックを入れた時と比べて、どうですか。なめらかになっていれば、成功です。
 もし、動きが依然として渋ければ、あと2回、動きのよかった、同じ側を捻じります。
19 では、もう一度、耳の下に掌を置き直します。そして、左右に捻じり上げてみます。どうですか。左右の動きが揃って、なめらかになっていますか。さっきの動きよりいっそうよくなっていますか。よくなっていれば、操法は成功です。
 唾液腺のはたらきがよくなり、自律神経のはたらきが調いました。 
        
足に気を通すと
腰をはじめ、からだ全体が
気で満たされてくる。
毎日やりたくなる
行気の決定版














 合蹠行気




 
行気というのは、体内の骨の並びに沿って気を往来させて身体に親しむレッスンのことです。気は時と場合により、熱であったり、響きや波であったり、振動であったり、圧迫であったり、フラッシュであったりします。その感覚そのものではなく、余韻のように残って静かに訴えるものです。この合蹠行気は、その気感を味わえる、ゆるみの行法です。

1 仰向けに寝ます。膝を折り、左右の足の裏をぴったり合わせます。足の裏を蹠といいます。足の裏を合わせるので合蹠です。最初の踵の位置は、膝をやや深く折った、股から20センチほどのところです。足の裏がぴったり合って、足の裏同士を無理なく押しつけあえるところです。
2 足の裏を押しつけ合います。押しつけ合うと言ってもぐいぐい押すのではありません。合掌と同じように、そっと、ぴったり合わせるのです。
 腰から膝に向けて押し開き、膝はそれを受けて足首に向けて押し出し、足首はそれを受けて足の裏に伝えます。腰が少し反って、硬くなります。足の裏では左右両側の力が出会って押しつけ合うことになります。足の力で押すのではなく、腰-腿-膝-脛-足首と玉突きのように流れてきた波が、足の裏で出会うのです。意識は足の裏です。
3 しばらく押しつけ合っていると、力で押しつけ合っている感じがなくなり、足の裏が吸いついているようなぴったり感が現われてきます。腰の感じはどうでしょう。腰の反った感じ、緊張がとれて、ホッとした感じに変わっています。
4 そうしたら、足の位置をずらします。少し踵を5センチほど遠くに押しやります。股から25センチくらい。この位置で、同じように、腰から腿、膝、脛、足首の順に玉突き寄せをして足の裏に伝えます。はじめ、腰がちょっと緊張して反っています。意識は足の裏。じっと押しつけ合います。
5 ぴったり感が出てきましたか。腰のほうはどうですか。ゆるんでいたら、また足を遠ざけます。

6 もう一度。同じ要領です。
7 腰がゆるんだら、また足を少し伸ばし、腰が反ってしまって、ちょっと厳しいところで、足の裏を合わせます。そして、じっと足の裏に集注します。
8 最後は、足を伸ばして合蹠を試みると、足首のほうが合蹠に耐えられず、足の裏を合わせることができません。そこまできたら、おしまい。
 このようにして、3~4回くりかえします。

9 最後、そのままゆっくり足を伸ばして呼吸をととのえます。そして、大きく息を吸い、口を閉じ、鼻からハミングしながら、長く細い息を漏らし続けます。
 
注/解説
上の「合蹠行気」は、整体協会の機関誌旧号に掲載されていた野口裕之氏の記事を、気功流にアレンジしたものである。中身はいじっていないつもりである。
それというのも、野口氏の「(中国)気功批判」はまことに正鵠を射ており、気功家としていつも肝に銘じておくべきことだと感じているからである。
野口氏はこう述べる。
整体協会で行なう行気法の特色は、気の自然集注を尊ぶということです。行気を学び始めると、つい膝が悪いから膝に気を集めたくなるものですが、悪い膝に気を集めても、それは意識の集注であり、これには効力がありません。そうではなくて、悪い膝に自然に気が集まるような膝以外の箇所を見いだして、そこに行気を行なうのです。丹田を元気の象徴として捉えることは、東洋の健康法の定石なのですが、だからといってここに意識を集めていればいいというのは、気の集注構造に明るくない人達の抱く幻想にすぎません。
また、こうも述べる。
気が集まると、そこにこもらず体外に出て行く、そういう性質があります。…気が体外に出ず、その場処にこもると、気はにごるのです。…元気があふれる、元気がみなぎる、元気が湧くとかいう言葉は、すべて気が勢いよく外へ出ることを意味しているのです。
と。 
   
     
     
     
     
     
     
     


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